前の記事では、Claude Codeにテスト用のファイルを1つ渡し、1か所だけ直しました。今回は、フォルダ内の3ファイルを1回の指示でまとめて直します。
表記をそろえたい文書が3つあるとき、1つずつ開いて直すのは手間です。Claude Codeなら「3つのファイルの表記を直して」と一度頼むだけで済みます。
ただし、まとめて任せる前に確認したいことがあります。
- 承認画面は何回出るのか
- どのファイルの、どこが変わったのか
- 間違っていた場合、3つとも元に戻せるのか
先に結論
3つのファイルは1回の指示で直せます。元に戻せるかどうかは、Claude Codeがどの方法でファイルを変更したかで決まります。
ファイル編集ツールで直した変更は追跡され、巻き戻しメニューの復元対象になります。シェルコマンドで直した変更は追跡されません。承認画面を押したかどうかとは別の話です。
この記事では、消えても困らないテスト用のMarkdown 3つを使います。一括修正から、承認画面と変更箇所の確認、巻き戻しメニューを見るところまで、順番に試します。
読み終えたら、同じ手順を自分の文書のコピーで試せます。
この記事の確認範囲
仕組みと表示は、2026年9月6日にAnthropicの公式ドキュメントで確認し、同じ日に筆者のWindows 11(Claude Code 2.1.261)で実際に試した内容です。画面の文言は更新で変わることがあるので、違いがあれば手元の画面と公式ドキュメントを優先してください。
この記事で使うもの
前の記事Claude Codeで初めてファイルを変更する方法で、テスト用のファイルを1つ直し、確認画面を読み、元に戻すところまで終えていることを前提にします。まだの方は、そちらを先に進めてください。
その前の段階から知りたい方は、こちらです。
- Claude Codeがどんな道具か:Claude Codeとは?
- パソコンへの入れ方:Claude CodeをWindowsで始める方法
- 費用:Claude Codeの料金はいくら?
用意するのは2つです。
前の記事で使ったフォルダとは別に、
claude-test-multiのような空のフォルダを1つ作ります。前のフォルダを使い回さないのは、そこにある1つ目のファイルが今回の対象に混ざると、何件直したのかが分からなくなるからです。ファイルは自分で作らなくてかまいません。Claude Codeを起動して、次のように頼みます。
テスト用にMarkdownを3つ作ってください。メモ1.md、メモ2.md、メモ3.md。それぞれ5行程度で、どれにも「Claude code」という表記を1回入れてください
今回は、この「Claude code」(小文字のc)を「Claude Code」(大文字のC)にそろえる、という作業を題材にします。3つのファイルにまたがる、いちばん単純な一括修正です。
仕事のファイル、公開前の原稿、削除や移動を伴う作業は、この記事では扱いません。中身の一部を書き換えるだけです。
始める前に、いまのモードを確認する
Claude Codeを起動したら、本文を打つ前に画面のいちばん下を見てください。ここに、いまのモードが出ています。

今回の実測では、起動した直後はauto mode on(自動)でした。この状態で「3つのファイルの表記を直して」と頼んだところ、承認画面は1回も出ないまま、3つのファイルが書き換わりました。前の記事で1ファイルを直したときに出ていた、あの赤と緑の確認画面は出ません。
これは不具合ではありません。公式ドキュメント(英語版)には、Pro・Max・Teamのプランでは起動時のモードとして自動モードが選ばれると書かれています。Claude Codeのバージョンや設定によって変わります。
自動モードでは、あなたの代わりに別のAIが操作を点検します。その過程は画面に出ません。そのため、承認画面を待っていても、すでに作業が終わっていることがあります。
初めて複数ファイルを触らせるときは、自分の目で1件ずつ見たほうが分かります。Shift + Tabを押して、画面下の表示をmanual mode on(手動)に変えてください。

うまく切り替わらない場合は、Shift + Tabをもう一度押してください。表示はmanual mode onのほかにaccept edits onやplan mode onにも変わります。今回使うのはmanual mode onです。
手順|複数ファイルを1回の指示でまとめて直す
manual mode onになったら、次のように頼みます。
3つのファイルの「Claude code」を「Claude Code」に直してください
ファイル名を1つずつ書かなくてもかまいません。Claude Codeは起動したフォルダの中を探して、対象のファイルを見つけます。
Update(メモ1.md)のような行が出て、その下に確認画面が開きます。確認画面で見る場所は3つです。
- いちばん上の
Edit fileの下に、これから変えるファイルの名前が出ます - 赤い行(
--)が変更前、緑の行(+-)が変更後です - いちばん下に
Do you want to make this edit to メモ1.md?と、3つの選択肢が出ます
選択肢はこう並んでいます。
1. Yes
2. Yes, and switch to accept edits (auto-approve file edits and common file commands) for this session (shift+tab)
3. No
今回押すのは1です。2は「このあとは確認画面を出さずに進める」という選択で、押さない理由はこの記事の後半に書きます。

この確認画面は、ファイルごとに1回出ます。今回の実測では、3つのファイルに対して合計3回でした。同じ内容の修正でも、1回まとめてではなく、1ファイルずつ聞かれます。
3回とも1を押すと、Claude Codeが結果を返します。実測では次のように出ました。
3ファイルとも修正しました。
- メモ1.md:5
- メモ2.md:5
- メモ3.md:5
いずれも「Claude code」→「Claude Code」に置換済みです。
ファイル名のうしろの数字は行番号です。どのファイルの何行目を触ったのかが、ここで分かります。
うまくいかないときは、症状で分けて確かめます。
- ファイルが見つからないと言われた:Claude Codeを起動したフォルダが違います。いったん終了し、ファイルのあるフォルダへ移動してから起動し直してください
- 承認画面がまったく出ない:画面下が
manual mode onになっていない可能性が高いです。Shift + Tabで切り替えてから、もう一度頼みます
変更内容を確かめる|/diffが使えないフォルダもある
Claude Codeには、変更した場所をまとめて見る/diffというコマンドがあります。ただ、今回のテスト用フォルダでは使えませんでした。
/diffと入力したところ、返ってきたのはこの一文です。
The diff panel shows git changes — the current directory isn't in a git repository
「差分パネルはgitの変更を表示します。いまのフォルダはgitリポジトリではありません」という意味です。
公式ドキュメントでも、この差分パネルを使う条件としてgitリポジトリであることが挙げられています。普通のメモや原稿を置いただけのフォルダは、これに当てはまらないことがあります。

/diffを実行しても差分パネルを開けませんでした。/diffを使えない場合承認画面、修正後のファイル、Claude Codeが返した一覧の3つで変更内容を確かめます。
1.承認画面に出た赤と緑を、その場で読む
いちばん確実なのはここです。承認画面は変更前と変更後を並べて出します。押す前に読んでおけば、あとから探す手間がありません。手動モードで1件ずつ承認する意味の半分は、この画面を読むことにあります。
2.修正後のファイルを開く
メモ1.mdをメモ帳などで開いて、5行目を見ます。Claude Codeが返した行番号と照らせば、その1行だけ確認すれば済みます。
3.Claude Codeに一覧を出させる
上の実測で出たメモ1.md:5のような一覧が、そのまま確認用に使えます。もし流れてしまったら、次のように頼めば出し直せます。
さっき変更した箇所を、ファイル名と行番号つきで一覧にしてください
元に戻せるかどうかは、どの方法で直したかで決まる
Claude Codeには、指示ごとに保存された地点へ戻る機能があります。前の記事で使った/rewindです。複数ファイルを直したときは、この機能が3ファイル分をまとめて扱います。
ただし、何でも戻せるわけではありません。公式ドキュメントでは、記録されるものとされないものが分かれています。
- ファイル編集ツールで行われた変更:追跡され、巻き戻しメニューの復元対象になる
- シェルコマンドで行われた変更:追跡されない
一括修正を頼むと、Claude Codeがどちらの方法を選ぶかは指示のたびに変わります。だから、実行したあとに自分で確かめます。
巻き戻しのメニューを開く
開き方は2つです。
/rewindと入力して実行する- 入力欄が空の状態で、
Escを2回押す
注意:入力欄を空にしてから操作する
入力欄に文字が残っていると、Esc2回は入力を消す動きになり、メニューは開きません。公式ドキュメントにもそう書かれています。
実測では、書きかけの文に/rewindを打ち足してしまい、入力が/rewind/rewindになりました。この状態では実行されません。先に入力欄を空にしてから操作してください。
今回の実測
同じ内容の指示を、条件を変えて3回試しました。
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | |
|---|---|---|---|
| モード | 手動 | 自動(起動直後のまま) | 手動 |
| Claude Codeが使った方法 | ファイル編集ツール | シェルコマンド | ファイル編集ツール |
| 承認画面 | 3回(ファイルごとに1回) | 0回 | 3回(ファイルごとに1回) |
| 巻き戻しの表示 | The code will be unchanged. |
一覧にNo code changes |
The code will be restored +3 -3 |
| 「元に戻す」の選択肢 | 出なかった | 出なかった | 出た |
2回目は、Claude Codeがran 1 shell commandと表示していました。シェルコマンドで直した回です。巻き戻しの一覧にはNo code changes(コードの変更なし)と出て、確認画面もこうなりました。
The conversation will be forked.
The code will be unchanged.
「会話は分岐します。コードは変更されません」。ファイルを戻す選択肢そのものが表示されません。公式ドキュメントの説明どおりの結果です。
3回目は、ファイル編集ツールで直した回です。同じ場所にこう出ました。
The code will be restored +3 -3 in メモ1.md and 2 other files.
「メモ1.mdと他2ファイルで、3行追加・3行削除を復元します」という意味です。
選択肢にはRestore code and conversation(コードと会話を戻す)とRestore code(コードだけ戻す)が並びます。3ファイル分がまとめて復元対象になっていることが、この一行で分かります。

この画面の下には、注意書きも出ています。
!! Rewinding does not affect files edited manually or via bash.
「巻き戻しは、手作業やbash経由で編集されたファイルには影響しません」。公式の説明と同じ内容が、操作の直前にも表示されます。
原因が分からなかった1回
1回目は、ファイル編集ツールが使われ、承認画面も3回出たのに、戻す選択肢が表示されませんでした。原因は今回の実測では特定できていません。1回だけ起きた出来事で、公式の説明と食い違うため、この記事では例外として記録するにとどめます。仕組みの説明には使いません。
承認と復元は、別の仕組み
承認できても、復元できるとは限りません
手動モードでは、シェルコマンドを実行する前にも確認画面が出ます。ただし、承認して実行した変更が、あとから復元できるとは限りません。
- 承認画面が出るかどうか → モードで決まる
- 復元の対象になるかどうか → Claude Codeがどの方法でファイルを変更したかで決まる
手動モードにしておけば全部戻せる、という関係にはなっていません。今回も、手動モードで承認画面が出た2回のうち、復元の選択肢が出たのは片方だけでした。
実行したあとに、1回だけ確かめる
方法を指定して頼むこともできます。実測では、次のように書いたところ、ファイル編集ツールが使われました。
シェルコマンドは使わず、ファイルを1つずつ編集する方法で、3つのファイルの表記を直してください
それでも、確実なのは実行したあとに自分で見ることです。巻き戻しのメニューを開いて、No code changesと出ていないか、The code will be restoredと出ているかを確かめてください。
大事なファイルを触る前に、この確認を1回やっておいてください。あとから戻せない状態のまま作業を進めるのが、いちばん困ります。
初回は自動承認を使わず、変更ごとに確認する
承認画面には「2. Yes, and switch to accept edits」という選択肢があります。これを押すと、そのセッションでは次のものが確認なしで実行されます。
- 作業フォルダの中のファイルの作成と編集
mkdir・touch・rm・rmdir・mv・cp・sedといったファイル操作のコマンド
公式ドキュメントによると、自動で承認されるのはここまでです。作業フォルダの外のパス、保護されたパスへの書き込み、それ以外のコマンドでは、引き続き確認画面が出ます。「押せば何も聞かれなくなる」わけではありません。
起動直後の自動モードでも、確認画面は出ませんでした。今回の2回目がそれです。
3ファイルで3回。同じ内容の確認が続くと、押すのが面倒に感じます。それでも、初回は自動承認を使わず、変更ごとに確認してください。理由が2つあります。
1つ目は、確認画面が、変える前に変更前と変更後を並べて見られる場所だからです。前の見出しで書いたとおり、/diffはgit管理下のフォルダでないと使えません。確認画面を飛ばすと、変わったあとのファイルを開いて探すことになります。
2つ目は、自動で承認される中にrmやmvが入っていることです。ファイルの削除や移動はシェルコマンドで行われるため、前の見出しで見たとおり、巻き戻しの対象になりません。
自動承認そのものが悪いわけではありません。変更内容を読まなくても中身が分かる作業では役に立ちます。ただ、複数ファイルを初めて一括で触らせる場面は、それに当たりません。
仕事のファイルへ広げる前に決めること
ここまでで、3つのファイルを1回の指示で直し、変わった場所を確かめ、巻き戻しのメニューで復元対象になっているかどうかまで見られました。複数ファイルの一括修正で必要な確認は、ひととおり通したことになります。
次の練習は、自分の文書のコピーを3つ、テスト用フォルダに入れて、同じことをすることです。原本ではなくコピーを使ってください。それができたら、承認画面を読める範囲で少しずつ数を増やしていきます。
実務のファイルへ移すときは、次の順で確かめます。
- 画面下のモードを見る
- 1回の指示で直してもらう
- 承認画面を読んで承認する
- 変わった場所を確かめる
- 巻き戻しのメニューを開き、復元の選択肢が出ているかを見る
ここまでは、公式ドキュメントを見ながら1人で進められます。権限モードとチェックポイントの2ページを手元に置いておくと足ります。
一方で、テスト用のファイルでは操作できたのに、次のような状態が続くことがあります。
- 自分の業務のどの作業を、Claude Codeに任せる形へ置き換えればよいか決められない
- どこまで任せてよいかの線を、自分で引けない
- 想定と違う変更案が出たとき、進めてよいか止めるべきかを判断できない
- 練習は済んだが、実務で使う手順の形まで組み立てられない
こうした状態が続くかどうかは人によります。公式ドキュメントを読みながら練習を重ねて解ける場合もあれば、仕事への当てはめ方を人に相談したほうが早い場合もあります。どちらを選ぶかは、かけられる時間と、いま止まっている理由で決めてください。
独学で上の状態が続く場合
Claude Codeを教材にした学習支援を利用する方法もあります。当てはまる方だけ、バイテックGEEKの料金と向き不向きを確認してください。当てはまらない方は、上の練習を続けるだけで十分です。
参考にした情報
- チェックポイント(Anthropic公式・日本語版。チェックポイントの仕組み、bashコマンドによる変更が追跡されないこと、
/rewindの選択肢) - 権限モードを選択する(Anthropic公式・日本語版。モードの一覧、acceptEditsが自動承認する範囲とその外側)
- インタラクティブモード(Anthropic公式・日本語版。入力欄が空のときだけ
Esc2回で巻き戻しメニューが開くこと) - Choose a permission mode(Anthropic公式・英語版。Pro・Max・Teamの起動時モード)
- Interactive mode(Anthropic公式・英語版。
/diffの差分パネルにgitリポジトリが必要なこと)
実測は2026年9月6日、Windows 11、Claude Code 2.1.261で実施しました。画面の文言はそのときのものです。



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