ChatGPTを仕事でも使ってみたい。でも、いざ画面を開くと、何を頼めばよいのか迷ってしまう。活用例はたくさん見つかるのに、手元の報告書やメモはこれまでどおり自分で書いている。そんな人も多いのではないでしょうか。
最初は、手元に材料があり、ChatGPTの回答が合っているか自分で確かめられる仕事から試すのがおすすめです。たとえば、箇条書きからメールの下書きを作る、会議メモを整理する、資料の構成案を出してもらう、といった仕事です。
この記事では、この3つを架空の業務データで試しました。実際に入力した依頼文と回答だけでなく、気になった箇所と頼み直した内容も載せています。自分の仕事に近い例から、そのまま試してみてください。
情報確認日:2026年9月10日。パソコンのChromeでchatgpt.com(未ログイン)を使って確認しました。入力したのはすべて架空の練習用データで、実在の会社名や個人名は使っていません。画面にモデル名の表示はありませんでした。同じ依頼でも回答は毎回変わります。
ChatGPTを仕事で使うなら「材料がある作業」から始める
何を頼むか迷ったら、まずは次の3つに当てはまる仕事を探してみてください。
| 条件 | 具体的には |
|---|---|
| 元になる材料が手元にある | 箇条書き、会議メモ、過去の資料、伝えたい要点 |
| 出てきた答えを自分で確認できる | 日付や金額が合っているか、言いたいことが変わっていないかを自分で判断できる |
| 社外に出せない情報を外せる | 顧客名や個人名を伏せても、頼みたいことが成り立つ |
3つ目については、自分の会社が外部のAIサービスへ業務の情報を入力してよいかを、材料を貼り付ける前に確認しておきます。入力してよい情報の線引きはChatGPTへ入力してはいけない情報にまとめています。
元の文章やメモがあれば、ChatGPTの回答と並べて確認できます。抜けている情報や、勝手に足された内容にも気づきやすくなります。
OpenAIの学習サイト「OpenAI Academy」でも、普段使っている資料を渡し、まず使える形にしてもらう方法が紹介されています。
仕事中にすぐ用意しやすいのは、次のような材料です。
- 箇条書きのメモ → メールの下書き
- 会議メモ → 決定事項と未決事項の整理
- 伝えたい目的と読み手 → 資料の構成案

この中に普段使っているものがあれば、そこから始められます。
仕事で頼むときに伝える4つのこと
「メールを書いて」とだけ頼むと、相手も目的も分からないまま、一般的な文面が返ってきます。仕事で使う下書きにするには、次の4つを短く添えます。
相手:(誰が読むか)
目的:(読んだ相手にどうしてほしいか)
元の材料:(手元にある文章やメモをそのまま貼る)
出力形式:(形式・長さ・文体)
どれも一行でかまいません。このあとの例でも、この4項目を同じ順番で伝えています。
勝手に内容を足してほしくないときは、出力形式の最後に「原文にない内容は補わないでください」と加えます。今回、この一文を最初から入れた例では、渡していない内容は混ざりませんでした。
最初の回答で気になるところがあれば、そこだけ頼み直せます。今回も3つの例すべてで、追加の依頼を出しました。
箇条書きからメールの下書きを作る
会議の日程変更を同僚へ知らせるメールを、箇条書きから作ってもらいました。
社内向けのメールの下書きを作ってください。
相手:同じ部署の同僚3名(社内)
目的:来週の定例会議の日程変更を伝えて、出欠の返信をもらう
元の材料(箇条書き):
・9月16日(水)14時から9月17日(木)10時へ変更
・場所は会議室Aのまま
・オンライン参加も可
・議題は下期の販促計画
・出欠を9月14日(月)までに返信してほしい
出力形式:件名と本文。300字程度。です・ます調。
最初に返ってきた文面がこちらです。

件名、変更後の日時、返信期限は、箇条書きのとおりに入っていました。ただ、このままでは送れません。直したのは2点です。
- 変更前の日時(9月16日(水)14時)が本文から抜けている
- 材料に書いていない「急な変更となり恐縮ですが」という一文が入っている
最初の依頼には「材料にない内容は足さないでください」と書いていませんでした。変更理由の追加とあわせて、次のように頼み直します。
3点直してください。
1. 変更前の日時(9月16日(水)14時)も本文に入れてください。
2. 日程変更の理由を「会議室の都合により」として一文だけ入れてください。
3. 材料にない内容は足さないでください。本文は200字程度へ短くしてください。
頼み直したあとの文面です。

変更前の日時が入り、理由の一文が加わり、「急な変更となり恐縮ですが」は消えました。宛名の「皆さま」を実際の相手名に変えれば、そのまま社内へ回せる文面です。
会議メモを、決定事項と未決事項へ分ける
次は、走り書きの会議メモです。会議に出ていない人でも分かるように、決定事項・未決事項・担当と期限へ分けてもらいます。
会議メモを整理してください。
相手:会議に出ていない同じ部署のメンバー
目的:決まったことと決まっていないことを、あとから見て分かる形にする
元の材料:下の会議メモ(原文のまま)
出力形式:「決定事項」「未決事項」「担当と期限」の3つに分けた表。
原文にない内容は補わないでください。担当が書かれていないものは
「記載なし」としてください。
(会議メモ)
9/8 秋の販促 定例
・開始日は10/1でいくことになった
・チラシのデザインは外注。見積もりがまだ来ていない。Sが催促する
・ノベルティは前回と同じでいいか?→保留、次回決める
・A店の棚割変更は9/20までに現場へ連絡。Tが対応
・予算は前年並み。上振れする場合は部長承認が必要
・オンライン広告をやるかどうかは未定
・議事録は共有フォルダへ入れる
回答は3つの表に分かれ、担当が書かれていない項目は「記載なし」になりました。メモにない名前も足されていません。この例では、最初から「原文にない内容は補わないでください」と伝えています。
ただし、分類には直したい箇所がありました。「チラシの見積もりがまだ来ていない」が未決事項に入っていたのです。これは進行中の作業なので、別の欄へ移してもらいます。未決事項にも担当と決定時期の列を加えました。
2点直してください。
1. 「チラシの見積もりがまだ来ていない」は未決事項というより進行中の作業です。
別の分類へ移してください。
2. 未決事項の表に、「担当」と「いつ決めるか」の列を追加してください。
メモに書かれていない場合は「記載なし」としてください。

見積もりの件は「担当と期限」へ移り、未決事項の表には担当と決定時期の列が付きました。メモに書かれていない部分は、どちらも「記載なし」のままです。
長い議事録や資料そのものを短くしたいときは、頼み方と確認の手順をAIで長い文章や資料を要約する方法にまとめています。
目的と読み手を伝えて、資料の構成案を作る
資料の構成を考えてもらうときは、元の文章がなくても「誰に」「何を伝えたいか」が材料になります。
社内説明用の資料の構成案を作ってください。
相手:他部署の管理職3名。この件の詳しい経緯は知らない
目的:来期から問い合わせ対応の手順を変えることを説明し、その場で了承をもらう
元の材料:
・現在は担当者ごとに返信の書き方が違う
・対応にかかる時間のばらつきを減らしたい
・変更後は返信のひな形を共通化する
出力形式:スライド8枚以内の見出し案。各見出しに、そのページで伝えることを1行。
8枚の見出し案が返ってきましたが、直したい箇所が2つありました。
2枚目は「現在の対応にはばらつきがあります」、3枚目は「ばらつきが対応時間の安定化を妨げています」。これでは同じ話が続きます。
さらに、2枚目には「対応時間に違いがある」と書かれていました。こちらが渡したのは「返信の書き方が違う」という情報だけです。この例でも、最初の依頼には材料にない内容を足さないよう書いていませんでした。
2点直してください。
1. 2枚目と3枚目が同じ「ばらつき」の話なので、1枚にまとめ、
全体を6枚以内にしてください。
2. 材料には「返信の書き方が違う」としか書いていません。
2枚目の「対応時間に違いがある」は現状として断定せず、
材料にある範囲で書いてください。

6枚に減り、2枚目は「現在は担当者ごとに返信の書き方が異なります」に変わりました。対応時間については、現状の説明から「減らします」という目的の側へ移りました。
頭の中にある考えを先に整理したい場合は、AIでアイデアや考えを整理する方法で頼み方を見られます。
仕事で使う前に、人が確認する箇所
ChatGPTから返ってくるのは、あくまで下書きです。仕事で使う前に、元のメモや資料と見比べます。今回、実際に見つかったのは次の3つでした。
| 直した箇所 | 今回あった例 |
|---|---|
| 材料にあった情報の欠落 | 変更前の日時が本文から抜けていた |
| 渡していない内容 | 「急な変更となり恐縮ですが」「対応時間に違いがある」など、材料にない文が入っていた |
| 分類や見出しの意味 | 進行中の作業が未決事項に入っていた |
数字と日付も、送信や共有の前に元の材料と照らし合わせます。社内の書式や公開範囲に決まりがあれば、そのルールも確認してください。

この3つ以外の仕事へ広げるとき
ほかの仕事でも、「手元にある材料」と「作ってほしいもの」を組み合わせれば頼めます。
| 手元にある材料 | ほしい形 |
|---|---|
| 打ち合わせの走り書き | 相手に送る報告メール |
| 前年の資料 | 今年版のたたき台 |
| 問い合わせの原文(社名は伏せる) | 返信の下書き |
| 長い規程や仕様書 | 自分の担当部分の要点 |
| 箇条書きの企画メモ | 上司へ説明する順番 |
手元に材料がなければ、まずは自分で箇条書きを作るところから始めてみてください。
自分で広げるか、学ぶ順番を決めたいか
どれか1つ試してみると、ChatGPTに任せやすい部分と、自分で書いたほうが早い部分が見えてきます。
次に試す仕事を自分で選び、依頼文を書き換えられそうなら、このまま無料の情報で広げていけます。学ぶ順番を決めてほしい、困ったときに質問したいという人は、生成AIは独学とスクールどっち?仕事で使う人の判断基準も参考にしてください。
まとめ
ChatGPTを仕事で使うなら、最初から難しいことを任せなくても大丈夫です。
メールをよく書くなら、箇条書きから下書きを作る。会議メモが残っているなら、決定事項を整理する。これから資料を作るなら、構成案を出してもらう。自分の仕事に近い例を1つ選び、依頼文の材料だけ置き換えてみてください。
出力形式の最後に「材料にない内容は足さないでください」と入れておくと、元の情報に沿った下書きを頼みやすくなります。今回の実測でも、この一文を入れた例には、渡していない内容が混ざりませんでした。
まだ試さなくてよいのは、渡せる材料が手元にない作業と、出てきた答えが正しいかどうかを自分で判断できない作業です。
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参考にした情報
- OpenAI Academy「日常業務での ChatGPT ワーク活用法」(2026年4月23日) https://openai.com/ja-JP/academy/how-to-use-chatgpt-work-for-everyday-tasks/
本記事の実測は、未ログインのchatgpt.comで1回ずつ行った結果です。ChatGPTの画面表示や仕様は変更される場合があります。



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